シガーとワインのカタルシス
ワインの香りに固執する愛好家。
食事の際、他の匂いが混じることを極度に嫌う傾向がある。
確かに、レストランでの香水と煙草は「ご法度・・・」ではある。
腕の良い
シェフの作った料理は匂いから愉しむのが「筋・・・」でもある。
ともあれ葉巻と料理の「相性」は、良くはない。
ただし、鴨を鴨の血ベースにしたソースで食べる時は特別で
しかも、この時のワインが年代もので当たり年の長期熟成の
フルボディの赤であった場合は、それはもう・・・、
たまらない。
独特の豊かなトリュフ香が葉巻と混じった時、皿の上の鴨が
生き返るだろう。
さて香水と煙草・・・、
ソムリエ試験の会場ならいざ知らず、私は葉巻や香水や料理の匂いが
充満している中で、ワインを愉しむのが実は好きである。
料理とワインの相性は、体臭と香水の、それと似ている。
ドンピシャ合った時、元の香りとともにそれは、より濃厚に
より美しくなる。
残りの人生の中で、
そんなふうに、あと何回恍惚となれるか。
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