風吹不動天辺月

Le Rentier  

2016年09月14日 17:18



―――白露。

朝夕の吹く風に秋の匂いと色と音を感じる。
菩提寺で枯れた香の花を処分したおりに、本堂で見事な円相を見つけた。



草に降りた露が白く光って見える姿、白露のような円相だ。

風吹不動天辺月(風吹けども動ぜずてっぺんの月)。【普燈録】

ここでの風は、自らの喜怒哀楽、煩悩なのだと捉えなくては面白くない。
秋の清涼の月は、それでも変わらず耀く仏性、真如の心である。
どんなに惨めで酷い状況でも、その確信が立ち直る力になる。








友が49歳で逝って七日が過ぎた。
今夜は、円相なモルトウイスキー、相円(そうえん)を飲りたい。




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