2008年12月28日

酔っ払い運転


お酒を飲んで道路を馬で走ったら「酒酔い運転」でつかまる。



20年以上も昔、狭い私達の夜の街に、還暦をとっくに越した有名なカウボーイがいた。
彼はバブルの以前から駅前でパブを商っていて、リーバイスの
ブーツカットとテンガロンハットとカウボーイブーツが大好きな翁である。



そんな彼が、酒場から酒場を愛馬を駆ってハシゴしていると・・・



現代のアスファルトにこだまする蹄の音が、職務質問のターゲットとなった。



馬や牛、そして象は法律上軽車両扱いになるらしい。



だから、「馬が高速道路を暴走!」というニュースは
立派な道路交通法違反に値するのでそれはニュースになる。



大きななりで歩道を歩けば買い物途中のおばちゃん達に迷惑がられるが・・
酒酔い運転でつかまるような軽車両扱いになるのは走った場合だけなので
馬を下りて引く場合は歩行者と同じである。
まあ、高速道路はダメでも一般道(路側帯)は堂々と走る権利があるのだ。



不景気の世の中、サーカス一座の移動も象に乗っていけば、高いトラックを
借りずに次の興行場所行けるのである。



移動途中の象の水浴びはガソリンスタンドの洗車コーナーで行い、
象の燃料補給はスーパーの果物売場になるのだろうか?



―――さて、カウボーイが愛馬で散歩する姿は見られなくなったが、
バーボンとテキーラが大好きな翁は今日も元気である。



  

Posted by Le Rentier   at 17:21Comments(0)◆独り言・・・雑感

2008年12月25日

ABSINTHE

19世紀、パリのカフェに集まる芸術家たちから、“緑の詩神”と呼ばれた
液体がある。



エメラルドグリーンをしたこのリキュールは、水を注ぐと白濁し柔らかい色になる。
ヘミングウェイの小説に代表されるように、当時の詩集や小説を読んでいると
アブサンという液体がよく出てくる。




材料のニガヨモギに含まれる「ツヨン」という物質は過剰に摂取すると
幻覚作用を起こす。
又、その時代に絶対的なアブサン人気を誇った。
フランス人にとってアルコールの代名詞となり、禁酒運動の標的にされ
20世紀初頭に姿を消した。




第一次大戦後、代替品としてペルノ(アルコール度40%)が出回っていたが
その後、ツヨンの残存許容値を10ppm以下とWHOが承認し、2002年に
ペルノ社の工場で再製品化されたのである。




ストレートな社会では爛熟した「美」というのは嫉妬、攻撃されやすい。




氷を入れたオールドファッションドグラスにフレッシュミント、
アンゴスチュラビターズ、ライムを加えてステアした一杯・・・、




そんなロートレックやランボーの世界に浸るのには、明け方3時から
4時頃がよろしい。



その時間、シナプシスがいい感じで働いているようで呑みながら
浮かんできた様々な発想を書き留める。



ABSINTHEを詳しく知りたい人は 
  

Posted by Le Rentier   at 05:41Comments(0)◆LIQUEUR

2008年12月12日

NOE Pedro Ximenez

強い酒も、美味しい食事も、優しい言葉も、今夜は何もいらない。

熱いエスプレッソをダブルで淹れながら、フリーザーの奥から
バニラアイスクリームを取り出し、別のコーヒーカップに移す。



カップの
中の無表情のアイスクリームにゴンザレス・ビアス ノエ30年ペドロ・ヒメネスを
ティースプーン2杯注ぎ入れる。

瞬く間に、それまで冴えなかった娘が微かな甘い香りの香水を
身にまとった淑女となり現れる。



―――イスラムの忘れ形見、ペドロ・ヒメネス。

シェリーに使われる葡萄は白葡萄だけだ、辛口を造る時は「パロミノ種」を
用い、甘口を造る時には「ペドロ・ヒメネス種」か「モスカテル種」の
どちらかを用いる。

ペドロ・ヒメネス・・・、
名はカルロス5世に仕えたドイツ人の傭兵「ペーター・シーメンス」に由来し、
16世紀頃にセヴィリア周辺やコルドバを中心としたアンダルシアに広まる。
この品種はドイツやフランスのリースリング種に近いとされ、パロミノに比べて
果皮が厚く、過酷な環境に強い。

ほとんどの場合一度干されてから甘口の魅力あるシェリーに生まれ変わる。

そんな強い淑女も私は好きである。



サックをくれ、古いサックを。
飲めば陽気な妖精たちが現れて楽しく過ごせるし、地球だって楽しくなる。
それがいいオールド・シェリーってやつさ。
                          ―――チャールズ・トヴェイ



アイスクリームが無くなったカップに、冷めかけのエスプレッソを
追いかけるように注ぎ彼女の甘い残り香を残らず飲み乾した。




  
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Posted by Le Rentier   at 16:11Comments(0)◆SHERRY

2008年12月11日

漂えど・・・

押し寄せた金融危機の「大津波」。
倒産件数、早くも前年を突破。
上場企業をも “ひとのみ”。


こちらは危険水域、沈没寸前。
支持率急落、かじ取れぬ 「麻生丸」。
視界不良、続く “漂流”。          紙 弾




「あれっ、太った?」


久しぶりに閉店後に立ち寄った「ル・パラディ」のマスターの第一声である。


「年末なのに暇だからねぇ・・」





一喜一憂、右往左往せず変わらずに前へ進もう。


柿のカクテルをいただきながら、そう思った。



「漂えど、沈まず」    



たしか、ラテン語の諺にそんなのがあったな・・・。


  

Posted by Le Rentier   at 18:22Comments(0)◆独り言・・・雑感

2008年12月02日

ジンジャービア


かつて日本の高級ホテルや本格バーなどに広く普及していたが
第2次世界大戦以降、輸入が不安定になり入手困難な商品であった。



約100年前から製法がほとんど変わっていない、英国の
ジンジャーエキスの入った発酵ドリンク。



ジンジャーはジアスターゼを含み、食物の消化吸収を助け
コレステロール低下に良いといわれている。
昔から本国英国の女性たちは食前酒として飲まれている。




優しく、そして端正にすすめたい   ―――パーフェクト・モスコー・ミュール

爽やかな香りが広がるフランスの夏   ―――フレンチ・サマー

蘇るロマン、追憶は今も甘く…   ―――オールド・チムニー




ジンジャービア―――




バーテンダーは、これからの乾燥した季節に喉の調子を整える時は
新鮮な生姜をすりおろしレモンを入れ、これを温めて飲む。




  

Posted by Le Rentier   at 15:55Comments(0)