2009年11月21日

黄昏の時間

―――現代は小さい時代である。

生に生で立ち向かう気力を失って、全てに間接接触するだけで満足している。
ウイスキーがそうである。
時には正真正銘の生無垢というものを、味わわねばいけないのに割ったり
薄めたりばかりだ。
男子が女子のかげから

「ボク、カシスソーダ・・・」

などと言われると、つくづく民族の未来が憂えられてならない。


ウイスキーは、生で歯ぐきで味わうのが賢人のふるまいである。
ここがいちばん味のわかる箇所なのだ。
ウィスキーひと口、水ひと口、ウィスキーひと口、水ひと口・・・、
そうやって「純」から「艶」までの広大な一滴を味わい尽くす。

小さなショットグラスでもよいが、底の厚い、そして大きく重たい、
オールドファッションド・グラスに少し入れて飲むのがいちばんである。



あのグラスは、その昔、船乗りが
船の中で使っていた。
揺れる船の中でも酒が、こぼれ
にくくする為の工夫だ。

鉛をたっぷりと含んだ屈折度のキラキラと
高いオールドファッションド・グラスで、
ゆったりとウィスキー楽しむ人を、眺めていると
小憎らしくなる。







かくて、今夜も飲む。

たしかに、芸術は永く人生は短い
しかし、この一杯を飲んでいる時間ぐらいはある。






  

Posted by Le Rentier   at 04:20Comments(0)◆WHISKY◆独り言・・・雑感

2009年11月15日

ホワイトラベル

樽から量り売りされていた時代が終わり、世界初の瓶詰めで
売り出されたウィスキーの第一号・・・。



それはスコッチのデュワーズ・ホワイトラベルだったそうで1920年頃という。
五度の女王賞受賞、世界中の人に飲まれている実績など完成された
ブレンデッドスコッチとして評価が高い。
モルト含有率も高くスタンダード品の特級酒といえる。





ル・ランティエのカウンターで飲めるのは、ビー・ビー・アール・ジャパン株式会社が
扱っていた時代のボトル。



43.5%750ml/1ジガー45mlで1050円。



ストレートで愉しめる、滑らかでスムーズな味わいは決して裏切らない。





  


Posted by Le Rentier   at 20:39Comments(0)◆WHISKY◆絶滅危惧酒