2017年01月31日

寿(いのちながし)

「 寿 」は、昔は「 いのちながし 」と読まれたという。

「 いのちながし 」は、永遠の生命である。

「 寿 」は、福禄寿の「 寿 」。



福禄寿は中国でできた延命神、寿命を司る星の化身。
背が低く長頭で杖に経巻を結び、鶴を伴う。
日本では室町時代以降、七福神に加えられた。

めでたく、祝いのことば、「 寿福(長生きでしあわせ)」や
「 寿楽(長生きして楽しむ)」などのことばが踊る。

道元禅師の「 正法の寿命不断あるなり 」の教えも好きだ。
真理は文字通り、途中で断絶することなく伝えられていく。

真理を学ぶのは、一生の大事である。
だから、江戸後期の儒学者佐藤一斎は、

「 少にして学べば、壮にして為(な)す有り
  壮にして学べば、老いを衰(おとろ)へず
  老いて学べば、死して朽(く)ちず(『言志晩録』) 」

と言った。
右脳を使っている人は、長生きをしているというので、

「 老いて学べば、死して朽(く)ちず 」は、言い換えれば

「 老いて学べば、いのちながし 」と、いえよう。


  


2017年01月29日

城戸オータムカラーズ



「 オータムカラーズ 」とは葡萄畑が赤や黄色に紅葉している美しい風景を意味します。
ラベルには、収穫時の楽しいワイン造りの風景が描かれており、収穫の喜びが表現されて
います。Kidoワイナリーは小さなワイナリーですが、桔梗ヶ原の風土を表現した本物の
ワイン造りを追求しています。コンコード種を使ったこのワインは、華やかな甘い香りと
爽やかな酸味が特徴のワインです。
                         ―――醸造責任者・城戸亜紀人

と裏ラベルに記されていた。

さらには小さな文字で ・ ・ ・ 、
最適飲用温度(6~10℃よく冷やして)、

とある。


あの、どぶろくの会が開かれた夜、城戸オータムカラーズ2016を蔑ろに
した酒徒たちよ 喰い 悔い改めなけばならないようだ。

このコンコード2016を、よく冷やして飲んでみたら ・ ・ ・ 、
(・_・)エッ?美っ味~いではないか!
准教授どの、コンコード種を馬鹿にしてごめんなさいm(_ _)m

自ら「 気付き、考え、行動する 」、力とは、なんて大切な能力であろうか。
さて、そこで城戸オータムカラーズに合わせて店主の賄いになったのが



XO醤香る、海老のチリソース煮。
なんと、コンコードの甘さと、豆板醤とXO醤の旨味が渾然一体となった。




◆株式会社Kido ワイナリー
 長野県塩尻市大字宗賀1530-1
 026・354・5922
  


Posted by Le Rentier   at 03:10Comments(0)◆飲み食い備忘録◆CHAMPAGNE-WINE

2017年01月26日

BOWMORE16y.o.1990 SHERRY MATURED



ボウモア16年シェリー樽熟成(1990年蒸溜)。

2006年~2008年にかけて、1989バーボン樽、1990シェリー樽、1991ポート樽と
リリースされたリミテッド・エディション・シリーズの中の一本。

1990年に蒸溜され、シェリー樽で16年間熟成させた樽出し原酒。
冷却ろ過を施さず、いわば「 生のまま 」のモルト原酒である。
ボウモア伝統のスモーキーさとオロロソ・シェリー樽に由来する
芳醇な甘やかさが見事に調和している。

久っしぶりに飲んでみた、美っ味いなぁー。
やっぱり、あの頃の酒は文句なしに美味いなぁー。





  


Posted by Le Rentier   at 04:43Comments(0)◆WHISKY◆絶滅危惧酒

2017年01月25日

スリング、酒呑めば

酒呑めばいとゞ寝られぬ夜の雪          芭蕉


前書に「深川雪夜」とある。
芭蕉四十三歳。


芭蕉はサラリーマンではなかったから、大雪になっても翌朝の通勤を
心配することはない。
だが、酒を飲んでも、飲むほどに寝る気にはなれないというのだ。
降雪による興奮で、かえって頭が冴えてくるからである。
所謂、「雪見酒」のような呑気な酒にはならない・・・。


子供の頃、台風などのときにも、こういう心持ちになったことがある。
犬は喜び 庭駈(か)けまはり、ってことだな。

寒いなぁと思えば、鳥取、岡山両県では立ち往生するほどの大雪だ。
自然の成り行きに逆らって出勤するサラリーマンたちのストレスは、
いかばかりであろうか。

水商売稼業のオヤジは、布団に包まって夢うつつ。
諸兄姉の安全を祈る。




さて、そんな寒い夜には、熱々のホット・ジン・スリングが美味い・・・、
湯気の立ち昇る耐熱グラスに、アンゴスチュラ・ビターズを2ダッシュして。







  
タグ :HOT GIN SLING


Posted by Le Rentier   at 04:22Comments(0)◆COCKTAIL◆GIN◆歳時記と花鳥風月

2017年01月24日

サンボア

―――神戸ハイボール。

べっぴんの街から、暖簾分けに暖簾分けを重ねて、サンボアは
今年2017年で、なんと99年目だという。
関西でサンボアといえば、知らぬ者のいない老舗のバーである。
1918年、神戸が発祥の洋酒専門のスタンディングバーだ。



サンボアには暖簾分けのルールがある。
いずれかのサンボアで10年は働くこと。
サンボアの看板を背負ってもいいと、すべてのサンボアの店主が認めること。
構えた店には「サンボア」に加えて、その街の名をつけること。
(中略)
島之内は、そのルールのもと、開店した第一号。
堂島での10年を経て、サンボア各店を回って挨拶をし、認められたのだった。

「それが、暖簾分けということなんです。サンボアの看板だけでお客さんが
やって来てくれるわけですからね。2年、3年で独立したってお客様がついて
きてくれないですわ。10年という目安は、やっぱり『信用』です」      
                    ―――島之内サンボア、尾田和男氏


興味深い記事が多かった 2017 dancyu 2月号。
中でもサンボアの項が「 100いいね 」、である。

たかが10年、されど10年、である。



島之内サンボア
 大阪府大阪市中央区東心斎橋1-6-23 清水町会館1階
 06-6241-9513
 [営]16:00~21:30(L.O.)[休]日曜 月曜 祝日




  


2017年01月21日

にごり酒を唎く

―――どぶろく。

どぶろく(濁酒、濁醪)とは、発酵させただけの白く濁った酒。
もろみ酒、濁り酒(にごりざけ)、濁酒(だくしゅ)、白馬(しろうま)ともいう。
濁醪(だくろう)、どびろくの転化とも言われる。
炊いた米に、米こうじや酒粕に残る酵母などを加えて発酵させることによって
造られる、日本酒(清酒)の原型である。 【Wikipediaより引用】


さぁて、お正月に実家から濁り酒を持ち帰ったらしい運び屋がいた。
一升瓶を会社の冷蔵庫に、いつまでも置いておけないらしく、その
運び屋から、貴重な一升をあずかることとなった。

セラーで落ち着かせること10日間。



―――大寒の冷たい雨。
そろそろ飲むときがきたようだ。
山清(さんせい)あらごし にごり酒「どぶろし」。
山清酒造株式会社/長野県東筑摩郡筑北村坂北1720



日本酒における・・・、
清酒の異称を「聖人」というに対して
濁り酒の異称は「賢人」という。

分かち合う酒、「山清どぶろし」、むむむむ~
美味ぁ―――い。
山清・・・!



こやつは「賢人」だっ!
だが、危険だ!


寒空に雪見と洒落たしにごり酒        瑠乱亭絵


  


Posted by Le Rentier   at 03:21Comments(0)暦あれこれ

2017年01月20日

メンクラった

中学、高校時代の愛読書は、メンクラとホットドッグプレスとポパイと
サッカーマガジンとイレブンとビーバップハイスクールだった。


退屈やな~と思いながら観ていた、朝ドラのべっぴんさん。
そこへ、栄輔がエースというブランドを引っ提げてドラマに再登場。
よ~やく、よ~やく面白くなりそうだ。

「 すみれさん、お久しぶりです 」。



どうやら、栄輔はジャケットを推している感じからも、モデルはあの
ヴァンヂャケットの生みの親、メンズファッションの神さま ・ ・ ・ 、



「 石津謙介 」
ということか。

びっくりしたなぁ!
え~そうなの~?

ず~っと「 べっぴんさん 」の物語にイマ一つな感じを抱いていたので
この際だからキアリスでなくて、VAN ヴァンの物語にしてほしいくらいだ。


「 お洒落な人 」になるのではなく、「 洒落た人間 」になれ。
                            ―――石津謙介


2005年5月24日、肺炎のため東京都青梅市の病院で死去。
93歳没。ファッションに最後までこだわり続け、寝たきりになっても
パジャマを着ることを拒絶し、三宅一生から贈られたシャツを着た
まんま息を引き取った。



  
タグ :石津謙介VAN


Posted by Le Rentier   at 05:07Comments(0)◆独り言・・・雑感

2017年01月19日

Bianca d'Alba Barolo

イタリアでは、「 グラッパを飲むときは必ず3人で飲みに行け 」
という諺があるという。

アルコール分が強く、強烈なクセがあるので酔いつぶれたときの介抱が
要るようになったときの教訓からの言葉であろう。



その夜は、その強烈なクセを、ことのほか楽しんだ男たちがいた。



―――Bianca d'Alba Grappa di Barolo ビアンカ・ダルバ グラッパ・ディ・バローロ。

カウンターのほぼ中央に、二人連れが陣取る。
チョイワル風日本人と太っちょのアメリカ人が談笑しながらグラスを弄ぶ。

グラッパという名称は、その昔、ベネツィア北部のバッサノ・デル・グラッパという村が、
粕取りブランデーの特産地だったことに由来しているという。




◆ビアンカ・ダルバ・グラッパ・ディ・バローロ
 イタリア/ピエモンテ州
 バローロはイタリアを代表する赤ワインで「イタリアワインの王様」とも呼ばれている。
 その葡萄「ネッビオーロ種」を発酵し蒸留したのがこのグラッパ。




  


Posted by Le Rentier   at 04:01Comments(0)◆BRANDY

2017年01月11日

最後のべっぴん



これが、私のつくる最後の靴です。

完璧な靴を、どうもつくる事ができなくなり、自信が持てなくなりました。
けど、すべきことをするだけだと ・ ・ ・ 、この靴をつくりました。

本物をつくる。
思いを込めてつくる。
どんな事があってもそれを貫き通す。

それだけです。




ありがとう、さくらちゃん。
靴屋人生の最後を温かい思いで終える事ができました。





麻田さん、最後のべっぴんをつくる決意。
ものづくりへの愛情と尊敬に満ちた心に沁みる放送回だった。


  

Posted by Le Rentier   at 16:44Comments(0)◆独り言・・・雑感ドラマ

2017年01月09日

贈る言葉

―――成人の日。
どうせなら、苦い酒を飲め。






人間はずっとやってきたことをやめると、簡単につぶれてしまう。

いつも何かを模索し、何かを求め、手をさしのべておかないと
運は降りてこない。

要するに3通りしかないんだよね。

ひとつはね、強いやつについていく。
もうひとつは逃げる。
三つ目は独りで闘う。

どんな仕事も、コツコツやっていけば、実るはずなんだ。

頭で考えたら駄目だ。
頭で考えるものは、たかが知れている。





本日は、成人の日。
祝日ですが、通常通り営業いたしております。
Bar Le Rentier


  
タグ :贈る言葉


Posted by Le Rentier   at 16:32Comments(0)◆独り言・・・雑感