勘平鮨
―――お客様のおいしい笑顔を見たくて、日々の仕入れは真剣です。
本物の寿司をいかにおいしく安く食べて頂くか、毎日が勉強だと考えています。
街中の繁華街から車で5分程、ちょっと見落としそうな素朴な田舎。
こういうポツンとした佇まいが別天地だったりする。
美味い鮨が喰いたい。
やって来たのは勘平鮨(浜松市中区神田町)。
鮨というものの生む甲斐々々しいまめやかな雰囲気、そこへ人がいくら耽り込んでも、
擾れるようなことはない。
万事が手軽くこだわりなく行き過ぎて仕舞う。
とろっとろの白子を流し込む今夜の酒は
1864年創業の関谷醸造さん蓬莱泉創業150周年特別酒 純米大吟醸。
地元愛知の酒造好適米「 夢山水 」を未体験の30%まで磨き醸された純米大吟醸酒。
磨き過ぎて「 蓬莱泉 吟 純米大吟醸 」の魚が骨になってしまった。
鮨屋はめいめい、好み好みの場所に陣取って、鮨ダネで融通して呉れるさしみや、
酢のもので酒を飲んだり、すぐ鮨に取りかかったりするのが乙である。
さて、大将のおすすめを何十貫と喰らって〆の巻物は、なみだ巻。
今夜は上質の山葵で泣かされた。
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