2013年08月16日
敏腕外交官タレーラン
―――Baccarat Talleyrand
現代バカラを代表する意匠、タリランド・クリスタルグラス。
1837年(1754年説も)生まれのフランスの敏腕外交官タレーランに由来する。
貴重なモデルで古くからのアルクールをイメージさせる厚い鉛硝子、シャープな
カットが織りなす曲線と直線の優美なフォルム。
お尻部の絞りがより狭くなることで、底部の鉛硝子溜まりが強調、通常モデルより
一層魅力的な外観を造っている。
側面の厚みも素晴らしく、鉛硝子特有の重量感に溢れ甲高い響きを兼ね備えた
アンティーク・フルクリスタルだ。
メートル法を採用したことでも知られる、タレーランの外交は豊かな教養と優雅な
礼儀作法、料理人を引き連れた美食外交と呼ばれ、料理の引き立て役にワインや
シャンパンが使用されたという。
底面、牛乳瓶を思わせる鉛硝子の溜まりが、眼鏡底のような独特な景色を映し、
変わって口元は薄く成形され、独特の質感響き対比が楽しめる。
一般にタレーランの生誕100周年、1937年を発売と記録した物が多いが、この
脚付きモデルは、1933年カタログに掲載がある。
底部BACCARATのサインが入るのは、1936年以降の製品らしい・・・。
今宵、
フランス・エギュベル修道院の優しいドライジンを、この脚付きタリランドで愉しむ。