父と子が酒場でウイスキーを飲む。

父親は、6年間に及んだ南アフリカでの勤務を終えて帰国したばかりだという。
このゴールデンウイーク に、東京から浜松の企業に就職して3年経った長男に
会いに来た。

明日には、母親もやって来る。
そして、息子の運転で浜岡までひとっ走りし、3人でゴルフを楽しむのだそうだ。






さて、饒舌な父親から南アフリカのラグビー・ナショナルチームの愛称が付けられた
カクテルを教わったのでつくってみた。

―――Springbok スプリングボック。

それは、ミントリキュールにアマルーラを浮かべたシュータースタイルのカクテルだ。



Springbok スプリングボックとは、ラグビーの南アフリカ代表チームが1906年～1907年に
英仏遠征を行なった時に、口の悪いロンドンのメディアが南ア代表に変なニックネームを
付けるのではないかと危惧し、あらかじめ自分たちでニックネームを決めるべきだとなった。

そこでキャプテンのポール・ルースらがミーティングを持ち、南アフリカを代表する敏捷な



動物であるスプリングボック（Springbok）の採用を決定。
メディアに対して、この名前で呼べと申し出た結果、デイリーメール紙が最初の練習を
報じる記事で、Springboks の名前を使ってくれたそうだ。



―――Springbok スプリングボック。

飲めば飲むほど、敏捷とは裏腹に弛緩していくカクテルである。