―――白露。
朝夕の吹く風に秋の匂いと色と音を感じる。
菩提寺で枯れた香の花を処分したおりに、本堂で見事な円相を見つけた。
草に降りた露が白く光って見える姿、白露のような円相だ。
風吹不動天辺月(風吹けども動ぜずてっぺんの月)。【普燈録】
ここでの風は、自らの喜怒哀楽、煩悩なのだと捉えなくては面白くない。
秋の清涼の月は、それでも変わらず耀く仏性、真如の心である。
どんなに惨めで酷い状況でも、その確信が立ち直る力になる。
友が49歳で逝って七日が過ぎた。
今夜は、円相なモルトウイスキー、
相円(そうえん)を飲りたい。