2010年07月24日

アラン・シリトー

アラン・シリトー

だって土曜日の夜じゃないか。

一週間のうち最高の、いちばん心はずむ陽気な晩。
一年三百六十五日の重苦しいでかい輪のなかに
五十二回しかない息抜きの晩。
どうせぐったり寝て暮す安息の日曜日への狂暴な序曲。

つもりつもった激情が土曜日の晩に爆発し、
工場での単調な重労働の一週間の残りかすが全身から一気に、
底ぬけの善意となってほとばしる。

「 酔おうぜ、楽しもうぜ 」

をもっぱらの標語にして、抜目なく女どもの腰に手をまわし、
飲むほどに五臓六腑にしみわたるビールの味のすばらしさ。
「 土曜の夜と日曜の朝 」1958年/新潮文庫



自分を支配しようとする者に対して反抗を続け
己のズルさや享楽ぶりからも目を背けたりしない。
愛すべき主人公たち。

脇役たちの息づかいに嘘がなく反骨の言葉が
ひたすら衝撃だった。




With Love and ever good will for Summer at bar Le Rentier !!


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