気のおけないヤツらとの花見酒ほどうまいものはない。

早々と咲き乱れだしたソメイヨシノたち。
今年は、夜桜と紅い月がセットで味わえる珍しい春なのである。



【　2011年の皆既月食　】


4月4日の土曜日がその皆既月食の日で、19時15分の部分月食から始まり
22時45分までちょうど夜桜を見ながらのお花見に最高のタイミングなのだ。

絶妙なタイミングで月食花見で酔えるなんて　・　・　・　
堪らないねぇ！
日本人で良（酔）かったと感じる瞬間だ。

そんな会話で盛り上がった夜、カクテルグラスにはブラッドムーン。




見逃すと次は2032年まで見られない。





  

酒をこよなく愛するオトナたちが今宵とある酒場に集い、ぶらりはしご酒。
酒のつまみはゆるやかな知性。

BSジャパン「酒とつまみと男と女」、あっさりと最終回となる。
酔客は酒場放浪記（他局だわ）の吉田類さん・・・。
不良隠居の坂崎さんが強引にオファーしたそうだ。



さて、かつては会員制のバーであった銀座の老舗「ボルドー」は戦災からも
免がれて昭和2年から続く（89年の歴史に幕、2016年12月閉店）。



吉田「僕はねぇ、ちょっとマッティーニ」
坂崎「それじゃ義務感があるからギムレット」

と、駄洒落でカクテルをオーダーする図はコテコテで




酔い酔いソゾロ歩いて、締めの酒場は銀座ライオン。

よ　酔いどれて
し　小便タンゴ
だ　断末魔
る　類もいずれは
い　イカの塩辛

酒場詩人、吉田類の言葉が弾けて暮れていく。


  

最近、BSチャンネルで007シリーズの放送が多い。

2月の放送は
BS-TBSで「ドクターノー」と「ロシアより愛を込めて」だった。
3月になって
BSジャパン金曜名画座で「007は二度死ぬ」「女王陛下の007」
今週は「ダイヤモンドは永遠に」・・・と、目白押しなのである。



ところが
一番観たかった「007は二度死ぬ」を迂闊にも観逃してしまう。
ならば、画竜点睛、DVDレンタル屋へひとっ走りする。

しかーし、貸出中ではないか！
むむむ(´・ε・｀)　―――気を取り直して別のレンタル屋へ。

そして、
ふふふ(^言^)ｆ　―――ようやく念願のブツをゲットする。



さて、釘付けになったのは、ボンドガールに選ばれた若林映子さんが
演じるアキが運転するボンドカーの2000GT。



当時、車高が
低く車内が狭い2000GTに190cm近い長身のショーン・コネリーが
乗るのは困難だったらしく、急遽2000GTを2週間でオープントップに
改造したという。

そう、窮屈なんで屋根切っちゃったのだ。



さらには、日本の秘密警察の丹波さん・・・、英語のセリフも切れ味鋭く、
堂々とした演技はショーン・コネリーも霞むほどだ。



今は大霊界に行ってしまわれましたけどね・・・。



そんな会話で盛り上がった一夜、ボンドといえばマティーニである。
「A martini. Shaken, not stirred　マティーニを、ステアじゃなくシェイクで！」
ドライジンでなくウォッカを使い、ステアでなくシェイクしたのは言うまでもない。



  

スティック・セニョールが最近のお気に入りである。

アスパラのように茎を食べるブロッコリーの仲間で、サカタのタネが
普通のブロッコリーと中国野菜の芥藍（かいらん）を掛け合わせて
作った品種らしい。

通常ブロッコリーは主軸の頂点に出来る花蕾を食用とするが、
スティックセニョールは次々と伸びる脇芽として伸びる茎の部分と
その先の花蕾を食用とする。




春めいた午後、寝惚けながらフィットチーネを茹でる。
で、こしらえたのは・・・、
フィットチーネ・アラ・セニョール・ペペロンチーノ＆エリンギ。



春の午後オヤジはあぶらな喰う人ぞ　　　　　　　　瑠乱亭絵



  

暦は啓蟄を
過ぎたというのに虫たちも、酒徒たちも、思いもよらぬ
寒の戻りに暖かな巣に籠ってしまったようだ。


そんな閑（しずか）な夜には、アルバータ・プレミアムを啜りつつ
文藝春秋3月号に掲載の「　第百五十二回芥川賞発表受賞作全文　」
「　九年前の祈り／小野正嗣　」を読んで過ごすのにちょうどよい。





さて、引きちぎられたミミズのようにのたうつ息子とヒロインの
シングルマザー。


その母子を、集落の人たちが柔らかい両腕となって包んでいく。
そんなようすが、巧みなレトリックとアリアを奏でる散文で、捉え
にくくも、むしろ魅力的に綴られていく。


啓蟄に蠢いた虫は、引きちぎられたミミズだったけれど、少し
酔った頭で、たまに芥川賞文学に浸るのも乙である。




  

ひと月程前に録画されたままの金曜ロードSHOW!
「風立ちぬ」　宮崎駿監督・長編引退作品を観た。


色んな暗喩が含まれていて、まさに詩のような美しい映画だ。



結核の嫁の横で煙草チェリー（布団の柄が桜に見えてしまう）を
喫いながら、飛行機の図面広げて仕事をするシーンがいい。

おっさんじゃないとわからんかもなあ。




まあ、今時の若者は20代の時期に何を目指すべきかということか。

一つは、恋愛。
一つは、夢。


―――風立ちぬ。

出会いも風、恋も風、別れも風、だったな。
自分の風を捕まえて、悔いなく生きろってことだな。





  

―――今回の落札は、歴史ある軽井沢蒸溜所の設備を可能な限り保全する
　　　　　とともに、酒類の製造のために稼働させることを目的としています。




まさに、捲土重来である。



活火山である浅間山の麓に1955年に設立された軽井沢蒸留所。
軽井沢の地は、海抜850メートルという高所に位置し、スコットランドに
似た高い湿度と涼しい気候はウイスキーづくりに適した環境であった。

その軽井沢蒸留所は2011年11月6日に閉鎖し、時間が止まったまま。
ところが、今回ガイアフロー株式会社の資本力にて静岡で息を吹き返す
兆しがでてきた。





ウイスキー・ジャンキーにとっては、なんとも嬉しい話である。


  

暖かさと
寒さを、くりかえしながら一歩一歩春のふところへ近づいていく。

―――雨水。

雪にかわって雨が降り大地を潤す。



バーカウンターには、東海桜（トウカイザクラ）とFCバルセロナ。






本日は、定休日でございます。
またの、ご来店をお待ち致しております。

Bar le rentier