はるか昔、
ある国の王女の衣からはがれ落ちた宝石が島になった。
そんな成り立ちを知る者は誰もいない。

その昔、
金を夢見て挫折を繰り返す男を何が支えたのか
振り返ろうとする者は誰もいない。

夕暮れのなか蒸留所から出てきた男の瞳に射入った光線が
その心をどれだけ掻き乱すのか。

都会の者は誰も知らない、いわれを知らない島で
生まれた理由もわからない不思議な水が
心の奥など知るすべもない男や女の手で造られ続けている。

しかし、誰もが知っている。
その水の香りと、その味を誰もが知っている。
そう、誰もが知っている、何よりもその悦びを。





アラン島で1995年に「　アラン蒸溜所　」が稼働開始。
2005年にアイラ島に「　キルホーマン蒸溜所　」が誕生した。
シングルモルト蒸溜所の誕生・再生である。

そして、ガートブレック（Gartbreck）蒸留所。
アイラ島に誕生した9つ目の蒸留所が、2015年秋に初蒸留するという。

最初にガートブレック・シングルモルトが味わえるのは2018年。