水は生命の源。
空と陸と海を巡り、暮らしを支える。
海辺や大河のほとりに文明を築いてきた人類は
水が枯渇すること、そして水が溢れることを
心の奥深くで何よりも恐れている。　　　　　　　　―――バーバラ・キングソルヴァー



今世紀は、
人類とその文明の危機として原油の枯渇が大きく叫ばれている。
しかし実は、原油の枯渇よりも水不足のほうが深刻なのである。

人間が生きるためには、飲めないガソリンより飲める水のほうが重要だ。
今日、日本中であたりまえに売られているペットボトルの水は500mlで
約120円～130円。
1リットル換算で240円～260円。
対してレギュラーガソリンが仮に1リットル140円前後とすると
水1リットルのほうが断然高いということになる。

地球上に存在する水の量は、昔も今も変わらない。
世界の人口が増加の一途をたどり、水不足に見舞われる地域が広がるなか、
人は水とどのように向き合っていけばいいのか・・・、

私たちは日頃、水とガソリンの値頃感の違いに意外と鈍感で
ガソリンより高い水をあまり意識せず平気で飲んでいる。
こんな私たちの社会は、なんだか「ヘン」ではないのか。

ドラッグストアの特売日に1ケース458円の水を
「お一人様二箱限り」に従い、カートに載せながら、
日本は稀有な国だな・・・、と思ったりする。