2014年06月03日

羽音と網戸

窓を開けて寝ていたようで、蚊に刺された。

めっきり姿が減り、
狙われるのも子どもや若者優先で、久しく無視されていた。
迷惑千万だが、まだ一人前扱いしてもらえたようだ。

腕をボリボリかきながら思った。
蚊はなぜあんな不快な羽音をたてて襲うのだろう。
静かに奇襲攻撃した方が、よほど成功するだろうに。


―――そんなふうな、夢をみた。


刺される側も、たかが数滴の血を惜しむわけではない。
頭の上を飛び交う羽音に苛立ち夜中の反撃に及ぶのである。
脅すつもりの羽音なら、逆効果というものだ。

その程度で人は退散も降参もしない。
弱い犬ほどよく吠える。
旗色が悪くなると人は途端に喧嘩腰になる。
正体が分かってしまえば、脅しは効かないのにである。

羽音と網戸

叩かれて昼の蚊を吐く木魚かな        漱石


万緑の初夏 ・ ・ ・ この夏は、別の羽音の方が騒がしい。
なぜか厄介さが付きまとう、身内姉妹の付き合いである。
初盆の支度をしているが、蚊に襲われる方が、はるかに生やさしい。


そんなこんなで、慌てて梅雨入り前の網戸張りに汗をながした。


背に西日腹と背に汗網戸張り         瑠乱亭絵









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