2016年11月19日

一文

初冬の黄昏時、千歳町の中央柳通りを抜けて、平田通りへ・・・、
路地裏のラビリンス。

ひと月程前に、お得意様から寿司折をお土産でいただいた。
その折箱を開けてみると、小さな箱からタダならぬ仕事を感じたのだ。

一文

今宵のカウンターは、その仕事をされた主のいる店だ。
すしやの一文さん(浜松市中区旅篭町)で忘年会。

先ずはキリンのラガーで乾いた喉を潤す。
アテは白子の突き出しと玉子焼き、そして烏賊下足の穴子タレ和え。

握っていただく。
烏賊、穴子、海老、初恋巻、大三元巻、アカムツの炙り、鮪赤身・・・、と

う~ん(感嘆の吐息)!





主の昔ながらの手仕事が、織り成す穴子が美味すぎた。
ということで、喰いしん坊が〆にいただいたのが・・・、

一文

穴胡巻(穴子×胡瓜)!





一文

他に客もないことゆえ、ゆっくり酒をのみ、鮨を食べた後に『ちらし』を折箱へ
入れてもらう。これを夜更けてからホテルへもどり、冷酒で食べることだった。
                     ―――池波正太郎著/むかしの味/新潮文庫

こんな文章が似合う寿司やに出会えて、幸せである。





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